[EC2]WindowsServer2022をAMIからリストアしてみた
DXソリューション事業部のはたけです。
前回のブログ「[EC2]AmazonLinux2をAMIからリストアしてみた」でAmazonLinux2のリストアを実施しましたが、今回はWindowsServer2022でAMI作成し、そこからEC2をリストアをしてみたいと思います。
Linux系サーバとWindows系サーバの違い
今回はWindows系サーバになりますが、Linux系サーバとの違いはWindowsが独自に管理しているセキュリティ識別子 (以下、SID) の対応が必要となります。 ※ [Microsoft公式 | セキュリティ識別子]
WindowsでAMI作成し、起動した場合、同じSIDのWindowsが作成されます。複数の同じSIDが存在する場合、サポートが受けられない可能性が高いので、SIDは変更することをお勧めします。
SIDを変更する手順として、Sysprepを実施します。Sysprepを実行するとOS上の固有情報削除される為、稼働している本番環境では実施しない方法で行う必要があります。
WindowsServer2022をAMIからリストアする流れ
流れとしましては、以下の順番になります。
- 稼働しているEC2インスタンス(Windows)からAMIを作成(以下、Origin AMI)
- Origin AMIからSysprep用のEC2を作成(以下、Sysprep用EC2)
- Sysprep用EC2を起動し、RDPでSysprepを実施(以下、Sysprep済みEC2)
- Sysprep済みEC2からAMIを作成(以下、Sysprep済みAMI)
- Sysprep済みAMIからEC2インスタンスを作成
- EC2インスタンスにRDPし、SIDを確認
EC2インスタンス(Windows)からAMIを作成(Origin AMI)
EC2インスタンスのAMI作成
稼働中のEC2インスタンスのAMIを作成します。
■AMI作成
- 対象のEC2を選択し、「アクション」→「イメージとテンプレート」→「イメージを作成」
- イメージ名とイメージの説明を入力
- 再起動しないの「有効化」にチェックしない ※1
- 終了時に削除はそのまま ※2
- 「イメージを作成」をクリック
※1
再起動しないの有効化にチェックなしの場合「再起動」が実施されます。
静止点を取る場合は「再起動しない」へのチェックは無し。
停止できない場合は必ずチェックする。
※2
ディスク作成時に設定される為、デフォルトで終了時に削除される設定になっています。
チェックを外すとインスタンスを終了した後もEBSが残ります。
本来、チェックの有無は設計書に従います。
■AMIの確認
- 「イメージ作成」を実行するとAMIが作成されます。
- 左にあるナビゲーションペインのAMIをクリックします。
- AMI画面にて先ほど実行したAMIを選択します。
- ステータスが5~10分程度でステータスが「利用可能」に変わります。
Origin AMIからSysprep用のEC2を作成(Sysprep用EC2)
AMIからEC2インスタンスをリストア
先ほどのAMIからEC2インスタンスをリストアを実施します。
■AMIからEC2を起動
- 取得したAMIを選択し「インスタンスを起動」をクリックします。
- インスタンス名を入力します。例:Win2022_SysprepBefore
- イメージの選択は、既に選択されているのでデフォルトのままにします。
- インスタンスタイプを選びます。AMIの元になったEC2と同じタイプを選択します。
- キーペアを選びます。ここではAMIの元になったキーペアを選択します。
- ネットワークを設定を行ないます。
AMIの元になったEC2と同じ設定を行ないます。
- ストレージはそのままで問題ありません。
- 設定が完了したら、「インスタンスを起動」をクリックします。
■リストアしたEC2インスタンスを起動確認
- インスタンス起動が成功したメッセージを確認し、「すべてのインスタンスを表示」をクリックします。
- 復元したインスタンスの状態で「実行中」になっていることを確認します。
Sysprep用EC2にRDPし、Sysprepを実行
Administratorのパスワードを取得し、RDP実施
- 対象のEC2を選択し、「アクション」→「セキュリティ」→「Windows パスワードを取得」
- Windows パスワードを取得の警告 ※Sysprepを実行してないAMIから復元した場合に表示される
- ※Sysprepを実行してないAMIから復元した場合に表示されるケースとして、「~4分以上待機してから~」というメッセージのパターンがある。この場合、4分以上待ってもパスワードが表示されることはない。
- 元のEC2パスワードでパスワードを取得する
- 対象EC2にRDP実施し、ログインを行なう
EC2LaunchSettingsを実行
AWS EC2でSysprepを実行する場合は、EC2LaunchSettingsにて行います。
- 「スタートメニュー」→「Amazon Web Services」→「Amazon EC2Launch settings」をクリック
- EC2LaunchSettings起動
Sysprepを実行
- 「Administrator password setting」の選択で「Random(retieve from console)」が選択されていることを確認
- 「Shutdown_with_Sysprep」をクリック
- Shutdown_with_Sysprepの選択画面で「はい」を選択
原文
You have unsaved changes.Do you want to prepare the instance to create an image, exeute Sysprep,and then shut it down?
翻訳
”保存されていない変更があります。インスタンスを準備してイメージを作成し、Sysprepを実行して、その後シャットダウンしますか?”
- Shutdown_with_Sysprep実行中
- Sysprepの実行が完了後、EC2はシャットダウンされる
Sysprep実施EC2からAMIを作成(Sysprep済みAMI)
Sysprep実施EC2からAMIを作成
「Origin AMI」と同じ手順で作成します。
- イメージ名:Win2022_SysprepBefore
AMI取得前にSysprep実施したEC2を起動しないでください。EC2を起動した場合、以下の影響があります。
EC2起動後に取得したAMIでEC2を作成した場合、パスワード取得が出来なくなる場合があります。
Sysprep AMIからEC2インスタンスを起動後、確認
Sysprep実施EC2AMIからEC2を起動する
「AMIからEC2を起動」と同じ手順で作成します。
- EC2名:Win2022_SysprepAfter
Administratorのパスワードを取得
- 対象のEC2を選択し、「アクション」→「セキュリティ」→「Windows パスワードを取得」
- 正しくSysprepが実施出来ていればパスワードを取得することが出来ます。
RDP実施
起動したEC2にRDPします。
SID確認
EC2のSIDを比較します。
- 元EC2(Win2022_Original)
- Sysprep前のEC2(Win2022_SysprepBefore)
- Sysprep済みEC2(Win2022_SysprepAfter)
- Sysprepを実行したAMIから起動することでSIDが変わっていることが確認できました。
-
注意点、留意点
- Windows系EC2のバックアップした場合、Sysprepは実施されていません。
- AMIから起動したWindowsで動作保障されるのはSysprepが実施されている場合に限られる為、実施することが望ましいです。
- SysprepしていないAMIからEC2を起動した場合は、パスワードが取得できない為、元のEC2は削除せずに残しておきましょう。
まとめ
WindowsServer2022のAMI作成とリストアは、注意点を守って行えば問題なく実施できます。
Sysprepを実施する場合は稼働サーバでは実施せず、AMI取得後のサーバで実施しましょう。
元になるEC2は、Sysprepが成功するまで削除せず残しておき、Sysprepが成功したことを確認してから削除しましょう。
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