AWSの超コスパ術 – オンプレvsクラウド実際の比較編①
とらくらのインフラエンジニア、ばっしーです。
クラウドとオンプレミスのコストについて語る際に、よく出てくる構文を見てみましょう。
オンプレミスは初期費用を払って購入してしまえば、あとはずっと無料でずっと使えます。なので、長く使うなら絶対に安くなります。
↑この文章のおかしな点を探してみてください。
経営者や過去の情シス的考えでは、すべて正しいと思われると思いますが、たくさんの誤りがありますので、いくつか挙げてみてみましょう。
「オンプレミスは初期費用を払って購入してしまえば」
ここは正解ですね。オンプレミスは大変高額な初期費用を払わなければいけません。物品を購入するだけでなく、構築費用も掛かるし、物を買うために当然納期も掛かるため時間も相当かかります。今は半導体不足と言われていますので、「納期は半年待っても届くかわからない」なんて言われています。
さらに、サーバーだけではなく、ラックやネットワーク機器などもキャパシティが足りない場合には別途購入しなければなりません。
「あとはずっと無料でずっと使えます」
これは、大きな誤りをたくさん含んでいますね。いくつか代表的なものを一つ一つ解説していきます。
1.「ずっと」・・・?
物理サーバーはずっと使うことはできません。初めのベンダ保守は大抵が3年、その後の延長保守でも大抵は5年までとなります。その後は、運よくサードパーティーの保守が見つかっても、更に2年前後が限界で、パーツがなくなるために保守がなくなってしまいます。
そのため、オンプレミス環境が安全に使用できるのは最大5年と思っていた方がいいでしょう。
2.「無料で」・・・?①
ファシリティーは無料はありません。
賃貸オフィスならマシンルームの床面積を占拠していますし、サーバーは熱を持つのでエアコンの電気代もバカになりません。当然ながらサーバー自体を駆動する電気代も、ゲーミングPC並みに相当喰ってしまうのがサーバーです。
更に、広義の意味のファシリティとして、サーバーラック、KVM装置、ネットワーク機器、UPSなども必須です。これらの機器も総額100万円程度が最低限のレベルとなります。
当然ながらバックアップに必要な機器も必要ですし、サーバー本体の予備もコールドスタンバイであれば、もう一台同じものを購入しておけばOKですが、停止時間を短くしようと思うと、高度なロードバランサーやクラスター構成など、予算的にはサーバー1台分の10倍~数10倍程度の予算になる事も珍しくありません。
3.「無料で」・・・? ②
物理的なものである限り、故障などの障害は絶対に避けられません。
もちろん保守がある前提ではありますが、保守があっても故障はしますし、故障したら担当者がベンダへ連絡して保守員の手配をし、保守員が駆け付けたら、その対応もしなければいけません。そういった対応は無人ではできません。
部品交換となったら、当然その間はサーバーを止めなければいけませんし、もし平日の日中帯にサーバーを停止しにくい場合には、担当者は深夜残業や休日出勤になることもあるでしょう。
不具合が単なる物理故障であれば、まだ容易いものです。
「たまにNW接続の調子が悪いことが発生する」などといった切り分けが非常に難しい事象も、お客様のサポートを実施していると度々発生します。こういう事象が発生してしまうと、NW配線からアプリケーションまで、すべてのレイヤーにおいて様々な経験をしてきたベテランエンジニアでないと、短時間に原因を見つけて対処することは困難になってしまいます。
お客様のサポートをしてきた経験上、そのような事例が発生した場合には、そのまま放置して、また事象が発生しなくなるまで数時間~数日間放置する。または、故障しかけていた機器が完全に故障するまで我慢しながら1~2年間放置している、なんてこともよく見かけます。
そのくらい、高度に発達したIT機器が複雑に絡み合ったトラブルシューティングは難しい場合もあります。
そういった対応を自社内の担当者は年間何時間、時間を割くことが出来るのでしょうか?もし、それに時間を使わなければ・・・例えば、古い効率の悪いモノを廃止して、新しいサービスや新しいソフトウェアを導入して、コストを下げつつも大きな価値を創造したり、会社の未来を明るく照らすため、あらゆることができたのではないでしょうか?
そのようなコストは計り知れないものがあります。
オンプレミスとクラウド(AWS)で具体的な金額を比較
ここまでで、かなりの方は「オンプレミスの方が安い」というのが、ごまかされた嘘なのでは?ということが分かったと思います。ですが、公平に話すとそんなことはありません。クラウドも使い方によっては大損することもあります。
では、次回はどのような場合に、オンプレミスとクラウド(AWS)で損得が分かれるのか、具体的な金額を比べてみましょう
オンプレミスとクラウド(AWS)で迷っている会社様は、是非お声がけください。
お問合せは下記まで。
投稿者プロフィール
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<インフラエンジニア>
■ オンプレミスからクラウドまで幅広いインテグレーションを手掛けてきたエンジニア。実は機械設計やWebディレクターも務めたことがある。
■ IoTの工作やAliexpressで中華ガジェットを買うのが大好き。
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